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夕陽が泣いている(1966) ザ・スパイダース

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堺正章・かまやつひろし・井上順などが在籍していたことで有名なザ・スパイダース。
その最大のヒットとなったのがこの「夕陽が泣いている」
120万枚も売れたのだとか。

しかしこの曲が誕生するまでには、
いくつかドラマが潜んでいる。

私は中学生の頃はロック少年で、
とんがった物しか認めないようなそんな思春期真っ盛りの時に、
この「夕陽が泣いている」を初めて聴きました。

最初聞いたときは演歌みたいでダセーと感じました。

そもそもグループサウンズ自体をバカにしていたんですね。
あんなものは古臭い歌謡曲でしかなくてアーミールックとかもダサいし、
バンドとか言ってるけど全然ロックじゃないじゃんみいな。

そういった偏見が覆えるのは20歳の頃まで待たないといけないわけですが、
私のグループサウンズに対する考え方を一変させてくれたのが、
他でもないこの「夕陽が泣いている」です。

ある人にこの曲の誕生した背景や、
当時の日本の音楽事情などを教えられて、
それからグループサウンズや60年代歌謡曲への考え方が変化していきました。

まだ当時は若者文化というのは発達していなくて、
娯楽は大人の物でしかなかったわけです。

現在のように若者に自由が認められてる時代ではなかった。

結婚相手も親が決めていたような時代です。
中学生なんて校則でみんな丸坊主。

音楽業界でも若者に発言権などなかった。
音大を卒業した連中が幅を利かせていた時代なのです。
作曲ができるようになるには音大などでちゃんとした教育を受けないといけない。
そう考えられていた時代です。

ビートルズの真似して自分たちで曲を作って演奏しはじめた若者たちなど
大先生にしたら気に入らないわけです。

そういう時代に自作曲でデビューしたザ・スパイダース。
しかし当初は売れなかった。
じゃあ次のシングルは浜口庫之助という大先生が作ったこの「夕陽が泣いている」でいこうと
レコード会社が決定した。

しかしスパイダースのメンバーは反対した。
自作曲がやりたいと。
それにこの「夕陽が泣いている」って曲、聴くとわかりますが、
曲調がなんとも演歌っぽくてダサダサ。
こんなのは歌えないと堺正章が特に強く反対したとか。

昔聞いた話をうろ覚えで書いているので。
どこまで正確かわかりせん。

とにかく彼らは反対した。
しかし今とは違ってデビューしたての若造に発言権などないわけです。
嫌ならクビです。

仕方なく彼らは受け入れます。
しかしレコーディングでもトラブルが。

まずドラムのバスドラがうるさい。
当時こういった叩き方はまだ珍しいです。
しかしやめろと注意されてもやめないんですね。
バスドラを強く鳴らすことこそがロックだと若い彼らは信じていたから。

ギターの音を歪ませるのもやめろとレコード会社から注意されます。
でもやめない。
それが彼らの求めるサウンドだから。
当時はエフェクターなんてないからアンプのセッティングでオーバードライブをかけているのですが、
この微妙に歪んだ音が今聴くとかえってカッコイイんですよね。

コーラスもウーウーうるさい。
でも彼らはそれがバンドスタイルだと信じてる。
俺たちはバックバンドじゃねえんだぞと。
この出しゃばり気味のバックコーラスもこの曲の聴きどころ。

聴けば古臭い演歌歌謡にしか思えないけど、
そういった歴史背景を知ると、
途端にこの曲がまぎれもなくロックなのだと理解できます。

大人たちとの苦闘の末に生まれた
まぎれもなく60年代の若者の曲なのです。

夕陽が泣いている / ザ・スパイダース

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